2000年 イギリス篇 Brighton

Brighton Express


Victoria駅で、窓口の列に並び、今日の往復のチケットを買います。Cheap day returnで£14.60。意外と安い。確かcoachでいくと£11くらいだった筈。
ブライトンエクスプレスというその名の通り、ブライトンとロンドンを結ぶ列車は10時8分のを選んで乗りました。
1時間で到着。意外に風があって肌寒く感じました。とりあえず海を目指しつつ、ツーリストインフォメーションも探しつつ歩いていたら、自然とロイヤルパヴィリオンに着いてしまいました。

Royal Pavilion

こういう風なデザインや雰囲気をとても好む流れがあるのだな、と目の当たりにして物凄く実感します。Cheltenhamからエクスカーションで行ったサイゼンコートもそうだし。
入場料£4.90 簡単なガイドブック75P
中は奇妙なインテリア。中国のような、アラビアのような。
バンケットルームであまりにその仰々しいシャンデリアに口をぽかんとして見上げていたら、一人のガードマンが日本語で「こんにちは」と声をかけてきました。(物々しい警備なのです)ああ。日本人って事がバレバレなのね。
「楽しんでますか?」「ええ、信じられない位豪華で、驚きです。あのダイニングテーブルでディナーを頂きたいです」「残念ながら周りからしか見れませんね」恐ろしく長いダイニングテーブルには1.5mほど手前でぐるりとロープが張り巡らされていて、ましてやあんな大勢のガードマンが居るのだから、そうおいそれとは近づけません。
「あのカトラリは素敵ですね」「Solid Goldなんですよ。貴女の後ろにあるお皿と同じようにね」「凄い!」「欲しいですか?」「一つだけにしましょう」と笑いあって。テーブルの上に堂々とセッティングされているお皿も素晴らしかったので「素敵ですね、伊万里のように見えますが?」と尋ねると「その通り、伊万里ですよ」「私は伊万里の近くで生まれたんですよ」「That’s lovely!」アイスクリームの入れ物も伊万里だとか。「ディナーは大きなプレートでシルバーのカトラリで頂くんです。つまり今此処にあるのはデザートのテーブルセッティングなのですよ」と教えてくれました。
私がホリデーで来てる事やちょっとした身の上話をした処で、賑やかなツアーの一団がやって来て。有料のガイドツアー。「ほら、一緒に聞いてくると良いですよ」と勧めてくれたのでちゃっかり便乗・・・しかしオーディエンスたちはとても勝手に私語をしているので、ガイドの云う事が聞こえず、ヒアリングがとても大変。
で。やっぱり一人で大厨房の方へ回りました。落ち着かない絢爛さの食堂室より、キッチンの方がとても好き。ご丁寧にもやはりネズミのディスプレイも。Cheltenhamでみた、ホルストの生誕博物館の貯蔵庫にもネズミがちゃんといたし。色んな種類のハーブが吊るされていたり、レプリカだけどこれまた様々な種類の肉が並んでたり、どんな料理を此処で作っていたのだろう?とワクワクする展示です。
ぐるりと回って再び豪華な大食堂へ。例の彼もまた其処で待っていて。「この大厨房、とても好きです。」「元々は4つあって、あれは肉料理のためのキッチンなんですよ」「一匹ネズミが居ました!」「あはは、正確には3匹います」「Three mouses!」「Mice、3匹はmiceで1匹はmouseと云いますよ」やば、そうでした。中学英語レベルだ。「成る程、勉強になりました、英会話教室有難う」「無料のね」とwink。
今まで英国旅行をしてきて、大体一人じゃなかったし、会話をしなければならない場面では連れに頼っていた部分がとても大きかったのですが、今回初めて一人でやって来て、レッスンを受けて「私は英語をちゃんと喋れない外国人なのだ」というのをまざまざと認識して、逆にあまり会話をするのが怖くなくなったなあと思いました。喋れないけど喋ろうという意思を持っていれば、相手の人だって耳を傾けてくれる。会話するって楽しいのね!
夕方前にはブライトンを出るし、明後日には帰国すると云うと残念がってくれましたが、御礼を云ってお別れ。

インテリアはQueen’s bedroomで少し落ち着いて感じました。蝶や花や鳥が壁紙に描かれていて。なんにしてもとても興味深い建物である事は間違いありません。Regent王子(後のジョージ4世)この建物に絡んでいるのを昨日のジェフリーミュージアムで知った時、今回の英国滞在はRegencyが一つのキーワードだと思いました。BathのSueの家もRegency styleだし、CheltenhamはRegency styleの街だったし。

昼食:Queen Adelade Tea Room(Royal Pavilion内)

Jacket
potato with grated Cheddar cheese £2.95
Royal Pavilion blend tea £1.10

隣に座った(多分)アメリカ人夫婦らしき人が私が食べているのをみて、メニューをわざわざ確認しに行っていたのが面白く。

パレスピアへの海岸線

海岸沿いに出て、まず廃墟の方のWest
Pierへ。
なにやら視察の一団が入っていくのをぼうっと眺めていて。再開発される様な雲行き?

こじんまりした博物館。
こういう処にものんびりと足を止めて。

海岸には砂だとずっと思っていました。丁度、渡英する1ヶ月ほど前にBrightonへ行った写真を見せて貰い、こんな小石がゴロゴロしてるなんて!と驚いた事が、今回のエクスカーションの場所にこの地を選んだ一番の理由でした。
その砂利に腰をおろして、フランスの方を漠然と眺めて。時々左手のパレスピアに目を遣り、今日はあそこへ行った後でお茶にしよう、と決めていました。

Palace Pierは、遊園地のようなもの。賑やかなんだけど、何処となく淋しく物哀しい気持ちになってしまう雰囲気は何故なのでしょう。
ウィンブルドンもたけなわで、カフェというカフェに「ウィンブルドンやってます」みたいな張り紙をして、みんなTV観戦して盛り上がっていました。

お茶

ラズベリーとチョコレートのガトーと紅茶で計£2.45
とあるパティスリー&カフェで。でもあまりケーキはピンと来るお味ではなく、まあ休憩させて貰いましたわ、くらいの気持ちで。
ホントは、このお店でお茶したかったのだけど、とても混みあっていて全然駄目だったのです。なんか凄く美味しそうな雰囲気がしていたのですが・・・うーん、しかし場所がどの辺だったか、地図を見ても判らないなあ。
なんせBrightonは地球の歩き方だけで回ったので・・・。

街灯のこんなちゅるちゅるっとした流線型が大好き。

ショッピングセンターをぶらぶら見て、駅へ歩いていき、再びロンドン目指してブライトンエクスプレスに乗りました。

夕食

Mサイズのトマト&バジルのスープ、ガーリックフレンチで計£3.25
最寄駅のお店で買ったオレンジ。ミルクティ。

Brighton Expressを降りたVictoria駅のスタンドで購入したスープとパン。スープを買ったら「パンはいいの?」とお兄さんが尋ねてきたので「どれがオススメ?」「ガーリックが美味いよ!」と云ったのでそれを。事実、ハーブが刻み込まれたガーリックバターが端から端まで入っており、このスープにとても良く合いました。
王由由さんのエッセイで、Victoria駅で素敵な花束を持って彼女の到着を待つ男性が、果たして再会した心温まるシーンが描写されていましたが、私にはスープしかこの時Victoriaでは待っていてくれず。
ミルクティを飲み終わった20時45分、まだ外は明るい。