1995年 U.K.篇 Miller Howe Hotel’s Dinner

衣装計画の失敗

今回の旅行は晩御飯はちゃんとしたレストランに行かず、カジュアルにチープにというコンセプトだったので、旅行会社の方の
「お夕食はみんな揃って食べるんですって。まぁ民宿みたいな処らしいですよ」
という言葉をいいことにちゃんとしたワンピースの一つも持ってこなかったのです。・・・。

このホテルでは、午後7時半頃には湖の見えるサンルームや暖炉のある居間のようなラウンジに三々五々集まり、アペリティフを今日のカナッペとともに味わい、今夜のメニューを見ながらワインをオーダーするのです。
8時ごろ皆が揃うと、おもむろにダイニングへご案内。
食事もデザートも済むと、またラウンジなどで談笑しながらCoffeeとチョコレートを頂くのです。

話が違う・・・・。
すっかりドレスアップしたご婦人方などを見て最初の晩はすっかり上がってしまい、カルチャーショックを受けました。
昼間の観光の時はどんなにカジュアルでも、dinnerのときはその場にふさわしい格好をするのがマナーなんだ・・・。
痛感した3回のdinnerでした。

でも、だからといってMiller Howeのスタッフの方達はけっして冷たい態度をとったりはしませんでした。

イギリスで食べると云えば・・・

イギリス料理は云々というのがまるでイギリスを語るときの枕詞になっていますが、
云いたい人には云わせておけばいいんです。

食事もクライマックスになってくるとシェフが各テーブルに挨拶に見えるのです。
若い女性のシェフでした。
お尋ねしたいこともどんなに美味しかったかということもあったのですが、
いかんせん英語を思うように話せないので「Very Good. Thank you」というのが関の山。

量が私にとっては多すぎ、どの皿も平らげることが出来ないのが口惜しくてたまりませんでした。
不味くて残したと思われたくなくって、食事の後スタッフの人にその旨を伝えると
「問題ないですよ、美味しいと思って食べる、そして楽しむ。ただそれだけですよ、気にしないで」
感動しました。
二日目からは、観光から早めに戻ってひとっ風呂浴びる、
そうするとおなかが空くことに気付き、少しずつ食べられるようになりました。

お泊まり客だけでなく、Dinnerのために訪れる客が毎晩たくさんいました。

夕陽を眺めながら

テーブルの配置が絶妙で、みんな無理なく湖のほうを眺めながら食事が出来るのです。
5月の日没は大体9時ごろでした。
湖を染めながら沈んでいく夕陽は、どんなshowよりも優るものです。


メニューの紙を貰える事に気が付いたのは2日目の晩。
判らない単語以外は英語の苦手な私でもなんとなく把握できるので
メニューを読むのは割と好き。
どんな料理かみなさんも想像しながら読んでみて下さい。

お料理は有無を言わさず出てきますが
デザートは心底迷いました。全部、一口ずつ食べてみたい!!

二日目のMenu

今夜のカナッペ:マッシュルームのせチーズサブレ、プルーンとベーコンのロールパン

今夜の自家製ブレッド:赤胡椒と玉葱入り

オックステイルの煮込み、バター味のマッシュポテトと庭のきざんだパセリ添え

薫製カモのマリネサラダ、中身はレンズ豆、サンドライトマト、フォアグラ、揚げた千切り生姜(カリカリして美味!)そして長葱
ドレッシングは温めたバルサミコ酢とスパイス

庭のハーブと細く切ったパンの耳を添えて焼いたオヒョウ、白ワインのクリームソース

ディルとさいの目切りのスウェーデン蕪、カリフラワーのピューレと松の実あえ
春キャベツのバター炒め、レモンとタイム風味の人参、蜂蜜とマスタード風味の新じゃが

オレンジキュラソー風味のダークチョコレートのスライス、泡立てた生クリーム添え or
スティックトフィとバタースコッチソースのプディングor
林檎とラズベリーとこんがり焼いたマカダミアナッツの農家風パイ、湖水地方のジャージー牛のクリーム添えor
苺とパッションフルーツのクリームブリュレ(私はこれ)or
マスカポネチーズを添えたキャラメルタルトとレモンタルトor
薄いクッキーの器に入ったラムレーズンのアイスクリームと新鮮なポポーの果実(ってご存知?)or
チーズの盛り合わせ

コーヒーと自家製トリュフはラウンジで

三日目のMenu

今夜のカナッペ:細長いチーズ、詰め物をしたチェリートマト、塩味のタルトレット

今夜の自家製ブレッド:松の実とサンドライトマト入り

椎茸とアスパラガス入りの麺、バジルペーストと薄く削ったパルメザンチーズかけ

マリネしたMonkfishのしっぽとレモン風味の舌平目の切り身
揚げたceleriacと辛いマスタードのヴィネグレットソースで煮込んだフェンネルと赤胡椒かけ

玉葱、ヘーゼルナッツ、クレソンとdijonを詰めた湖水地方の豚の腰肉のロースト
煮詰めたマデイラソースとカリカリに揚げた豚の上皮をかけた濃厚なプラムのピュレ添え

削ったビーツの根とオレンジのソテー
クミンとブロッコリのピュレと砂糖漬けの生姜を添えたベビーコーンのバター風味
胡椒風味のサヤインゲンとスライスした新じゃが、キャベツ

自家製温かいスティックトフィのプディング、マスカポネチーズ添えor
オレンジキュラソー風味のチョコレートのスライス、生クリーム添えor
ウィーン風の自家製ビスケットを添えた苺とパパイヤのムース(私はこれ!)or
チーズの盛り合わせ

コーヒーと自家製トリュフはラウンジで