月替りの洒落た美味しいかき氷を提供する、東大の中にあるこちらのカフェに今月もお邪魔しました。
寒いので当然私は温かいメニュー、おぜんざいを濃口のコーヒーとセット2,000円で。
冒頭の写真にはお餅が入っていますが、運ばれた時にはこのようにセットされていました。
焼いたお餅が恐らく保温というか見た目の臨場感というか、でも昔ながら感を感じられる演出に気分が盛り上がります。
おぜんざいには金粉と桜の花の塩漬けが浮かんでいます。
桜の花、いいなあ。
すでにこの中でいい具合に塩味が入り、甘すぎないぜんざいをキリッと引き締めてくれています。
器が大きいだけかなあと思いきや、思ったよりボリュームがありました。
幸せなぜんざいでした。
コーヒーはこんな感じ。
夫のオーダーはいちご1,300円。
イチゴシロップの下には、白あんが潜んでいてなるほどと思いました。
和菓子な感じに仕上がっています。美味しい。
今日は、映画『母と暮せば』を初日舞台挨拶のパブリックビューイングがある回で観てきました。
楽しいエピソードやチャーミングなニノを、スクリーン越しではありますがリアルタムで見ることができて嬉しかったです。
感心したのは、最初の挨拶でニノがすかさず全国のパブリックビューイングのことに触れ、各地の観客にも話しかけたこと。
全国用のカメラの位置も監督に教えて差し上げたりして、カメラ慣れしているなあと。
しかし本当に舞台挨拶が終わったら映画を見ずに席をたつ人が一定数いて、心底驚き呆れてしまいました…。
中継で映された丸の内ピカデリーでも、私が観た映画館でも。
何のために山田洋次監督はじめスタッフやキャストのみなさんがこの映画を作り上げたのかと思うと、やるせない気持ちになるやら、恥ずかしいやら…。
映画はとても素敵な作品でした。
戦争は人が起こしたものなので、防ぐこともできたはず、今後はこのような悲劇は繰り返してはいけないというメッセージを強く伝えるものでしたが、映画自体は悲惨な描き方ではなく、むしろ笑うシーンもあったりして雰囲気は基本的に柔らかいです。
ここは普通にネタバレするサイトというか自分メモですのでいろいろ書きますけど、それでも原爆が爆発したあの瞬間はずしんと胸に来ます。
浩二の声になるようなならないような「あっ…!」というのが、突然命を奪われた感じがものすごく伝わります。
長男が夢枕に立つシーンも鬼気迫るものが合ったなあ。失わずに済んだはずの命が可視化されたシーンです。
でもふと気が付くと、浩二の亡霊は母にしか見えてない、母の妄想でしか無かったと思うとファンタジー・ホラーかなと。
たった一人の息子を失って、魂が抜けてしまった母という捉え方をするととても切なさが増します…。
私が浩二の母だったらもうそうありたいと思うかも。
悲しみと諦念で暮らす日々、頼りにしていたお嫁さんになったかもしれない人も新しい幸せを見つけ抑えていた嫉妬心も頭をもたげてしまい、身寄りもなく、体調ももうすぐれない状態であれば、黄泉の国へエスコートして欲しいと思ってしまうかも。
息子にべったりの母親像は正直ツライのだけど、ニノと吉永小百合さんというなんとも品のある美しい組み合わせにはファンタジーを感じざるを得ません。
学ラン姿に袴姿など様々なニノを楽しめますしね。
教授の音楽もそっと寄り添うような感じで流れていて、とても馴染んでいました。
TVCMなどでテーマソングが流れると、ふわっとした気持ちに包まれます。
しかしながらリアリティも押さえたという触れ込みだけに、瑣末的なことにどうしても気になってしまった自分に自己嫌悪だったりもします。
しかも食べ物の表現で引っかかってしまうなんてもう本当になんだろう自分め、という感じです。
「おむすび」は九州では言わない気がします。「おにぎり」だと自然だなあ。
「お汁粉」も馴染みがなく「ぜんざい」と呼ぶのが普通です。濾してしまって汁しかないものを想像し、あの物資が困窮した時代にそのような勿体無いことをしないのではと思ってしまいます。
極めつけは、お正月用のお餅が角餅だったこと。
私は平成の時代に入って東京に来て初めてのし餅をカットした角餅を見て「丸くないんだ」と驚いた次第です。
それほど九州では丸いお餅が当たり前だったので、戦後だと尚更なのではと思ってしまいます。
東京で作った映画なので仕方ないのかもしれません。
もしくは、ある程度記号として受け止めて、九州以外でも通じるように置き換えたのかもしれません。
長崎弁自体はみなさんかなりお上手ですが、時々ここは感情が方言のほうがこもる気がするけど標準語だなと云う台詞がありました。
しかしそれは全部長崎弁にしてしまったら、通じづらいこともあるでしょうし、そこまでは思いませんでした。
でも色々小物類のリアルな演出を思うと、誰か九州出身の人がお餅事情をお知らせしてあげられたらなあと。
一気にその瞬間、長崎の感じが東京の感じになってしまうのが勿体無いなあと。
ああ食べ物に拘りを持ってしまう私でごめんなさい。
色々承知したので、次はぜひ35ミリフィルムでの上映を鑑賞しに行きたいなあ。
丸の内ピカデリーで6週間しか上映されないらしいので、逃さないようにしないと。