2014年 栃木県篇:満のパン、百年ライスカレー、日光金谷ホテル、日光珈琲、田母沢御用邸記念公園

朝食


10月末まで取得できる夫の夏休みに滑り込みで一泊旅行に出掛けました。
行き先が決まらず、2人で検索に行き詰っていた処、夫がひょっこりと日光金谷ホテルと電車のセットでお得な感じなのを見付け、かねてから泊まってみたいと思っていた私はすぐにこれだ!と飛びつき、無事この日を迎えることができました。
初めてのスペーシアきぬに乗り、満のパンで朝食を。
夫のツナサンド280円と味付き卵190円、私の肉じゃがサンド280円とあんずショコラ160円。
あんずとショコラ合いますねえ。

スペーシアきぬだったので、下今市駅で降りて、東武日光駅へ行く路線に乗り換えます。
この下今市のホームから見える位置に、日光の天然氷のかき氷を出すお店が見えて夫がふと気づきます。
ここ数年、それをどれほど都内で食べてきたことかと。
今すぐここで降りてかき氷を食べに行きかねない夫を宥めて、日光駅へ行きましたよ。
私も大変うかつでしたが、そういえば日光って氷でも有名でしたよねえ。


東武日光駅に着いてロータリーを見回して、たしかに私はかつて此処に来たことがある筈なのに全然覚えていないことに愕然とします。
多分、綺麗に整備されているせいだと思いますが、ではかつての感じを思い出せるかというとそれもできず。
ロマンチック街道の始まりに位置するあたりみたいで、歩道が順次整備されていて、また通りに面した建物も色合いなど気を付けているように見受けられました。


点在するお店などをほうほうと見ながら、日光金谷ホテルへ向かい、まずは手続きをしてから荷物を預けました。

昼食「コーヒーラウンジ メイプルリーフ」(日光金谷ホテル)


ランチはこちらで百年ライスカレーと決めていました。
この後、おやつを別の場所で決めていたので、コース的なものにせず、自家製フレンチドレッシングがかかったミニサラダ付きの単品2,052円で。
夫が鴨を選んだので、私はビーフにしました。

とは言えお互いシェアしてみた結果、ビーフの方がいいかもという我が家の結論に。

具がルーに与える影響があるのか、何となくルーがよりコクが感じられるというかなんというか。
福神漬けならぬ日光名物のたまり漬けも美味しく、購入してしまいました。

12時前位に入って、ガラガラだったのに気が付くと満席になり、どのテーブルにもカレーが運ばれてきていました。

観光


ラウンジは実に渋い…いや此処に限らずなのですが、調度品のどれもが落ち着いて古い建物の中でしっくりと来ているのです。
窓の外には紅葉した木々が見えます。
ライティングデスクも素敵で、何か書きたい気持ちになります。

ラウンジではWi-Fiがありました。
腹ごなしにホテルの裏手に回り、散策です。
1階部分が先ほどのラウンジです。

こちらは別館。

本館、新館および別館は、登録有形文化財や近代産業遺産に認定されているそうです。
私達は第二新館なので指定されていませんでしたが、それでも東京オリンピックのために作られた建物なので相当に古いですよねえ。

大谷川の方へ降りていく散策路を経て。

あちらにやたら神々しい赤い橋が見えるねえと、今から思うとトボけた感想を言い合っていました。本当にあまり下調べせずにぼーっと出掛けておりました。
夏はとても涼しく気持ちよさそうな場所です。

改めて金谷ホテルを出て、観光へ出かけます。

川辺から見えていた橋は、神橋といって、国の重要文化財指定でしかも世界遺産でした。
日光駅側から300円で入場して、向こうへ渡り切れると思いきや、Uターンという仕組みに。
後でネットで色々見ると「眺める橋」とありましたが、まあ維持費も大変なのだろうし、この先の人生もう渡ることがないかもしれないので、1度位折角ならいいのではという気持ちで。
私は自分自身の写真が苦手でしかたがないのですが、この橋の上で撮った私の写真が結構いい感じだと夫が悦に入っていたのでそれはそれでいいかなと。

それにしても神橋の交差点は、歩行者にとっては大変気を使う危険な場所なのですね。運転する側もとても気を使うでしょうけど。

おやつ「日光珈琲 御用邸通」(栃木県日光市)


日光に来たら日光の天然氷のかき氷を食べないことには始まらないらしいのと、百年ライスカレーで結構身体がホットになったのと、またお店の中も暖かかったというのもあって、10月も下旬ではありますが私もかき氷を選びました。
高級材料を使用した雅というカテゴリーから、氷あんみつ972円を選びました。
高級だからという訳ではなくて、氷あんみつって珍しいし美味しそうだと思ったからなのですが、これがもう好みの味わいでした。
運ばれてきた時の美しさもさることながら、黒蜜、きな粉、国産あずき、寒天、練乳、アイスクリームという組み合わせがパーフェクトです。
調和が取れていて、かつ様々な味がそれぞれに適度に主張しているのでした。
あずきとかアイスクリームとかは中に忍ばせてあります。

夫は、栃木県なので県産苺のとちおとめと大変悩みつつ、お店の方に相談して、珈琲のお店であることからカフェ・オーレ972円にしました。

自家焙煎珈琲シロップ、味香りともにこれまた初めての美味しさでした。

古民家をリノベーションしたお店で、外観もインテリアもとても素敵です。

日光珈琲さんは県内に数店舗あり、どれも落ち着いた素敵な店構えのようです。
…というのをお店に置かれている雑誌で知りました。
オーダー時に、コンディションを調整してから氷をかくらしく、時間が掛かりますと予め云われていたので、お店にある雑誌を色々と読み、栃木の素敵カフェ情報や日光の観光ガイドを仕入れました。

観光「日光田母沢御用邸記念公園」(栃木県日光市)


日光珈琲でガイドブックを眺めていたら割りと近い事が分かり、散策にも最適のようなので行ってみようということになりました。
そもそもこの前の通りが日光ロマンチック街道から分岐した御用邸通りというものらしいです。
思い返してみれば、この通りで大変お世話になった一泊二日だったとも言えます。

さて、この御用邸というのは、大正天皇が皇太子時代お気に入りの静養地だったそうです。
成り立ちは、日光出身の明治時代の銀行家の別邸に、赤坂璃宮などに使われていた旧紀州徳川家江戸中屋敷の一部を移築したり、新築したりということで、建築様式も江戸時代から大正までのものを見ることが出来る大変貴重なお屋敷でもあります。
丁寧にガイドさんについてまわると1時間半のボリュームなのも納得です。
今回は残念ながら自力で回りましたが、建築などの技術を細かく説明されていて、このように残っているのが素晴らしいなあと思いました。
御用邸としてはすでに廃止されて、栃木県が整備して記念公園として公開してくれていることにも感謝です。入場料510円。
国の重要文化財でもあります。
色々思うままにお互いに写真を撮りましたがキリがないのでちょっとだけ載せよう。
確か勉強部屋だったはず。

和風の造りにカーペット敷だったりシャンデリアがぶら下がっていたり。


徐々に色づき始めていました。
庭でドキッとしたのは、防空壕の入り口が4箇所ほど残っていました。ここでもそのような危険にさらされていたのだなあ…。

ホテル「日光金谷ホテル」(栃木県日光市)


ちらっと既に触れましたが、私達の部屋は第二新館ということで、コーヒーラウンジ横の階段を上り、このように明らかにここから別棟ですという扉をくぐり、進みます。
ちなみにこの門の上の方をよく見ると…

ここにも眠り猫が!
なんというサービス精神…というか本家より先に見ちゃった。

さてお部屋。

お得なツアーだったのにもかかわらず、コーナーツインでした。

テーブルと椅子、入り口方向を。

デスク周り。

此処に何故かアメニティが入ったカゴがありました。

その訳は…

バスルームに置く処がないから。
さっぱりしたバスルームです。

テレビの横には沸かしたお湯が入ったポットと、氷水が入ったポットが用意されていて、こういう心遣いが嬉しいなあと思いました。

でもなぜかお湯の方の味が受け付けなかったな…。水は大丈夫だったのですが。
お茶セット。

でーんと灰皿があります…実は入った途端、このお部屋がひどく煙草臭かったのです。
空気清浄機も稼働していましたが、最強に設定し、窓も開けて対応しましたが、それでもやはりツライので、消臭剤を持ってきてもらって、カーペットやらベッドやらカーテンやら空中やら念入りにふりかけました。

窓全開。ただ、虫がなぜか網戸の中に入ってくるという忠告を受けて、まもなくその通りと知ります。

廊下にはアロマのディフューザーが置かれていて、とてもいい香りがしているだけにギャップも苦しい。
臭いがひとまず落ち着いたかなと思ったので、ホテル内をちょいと探検することにしました。

回転ドアの上にも立派な彫刻。

回転ドアはいつもドアマンの方がいて、出入りの度にサポートしてくれます。

フロントの向かって左から奥を。大谷石を外観も内観もふんだんに使っています。

2階には金谷ホテルの歴史が詰まったギャラリーの廊下も。

ラウンジ横にもお宝ともいえる品々が展示されていました。
ショップものぞいてみると、既に坂の下の金谷ホテルベーカリーではほぼ売り切れでしたが、ここでは夕方でも安心して買えるので穴場かと思いました。

夕食(ホテル内ダイニングルーム)


カトラリーにも金谷ホテルの刻印が。
メインダイニングルームと繋がっているっぽい、新館側のダイニングルームのような処にて。
18時には食事の時間のチャイムが鳴るらしいのですが、なんせ第二新館で全く聞こえない場所と思われます。
さてその時刻にいそいそと向かいましたら、ほぼ1番乗り。
中庭を臨む窓際へ通され、まずは飲み物をオーダーしました。
夫はまずビール、私はフラワーコーディアル(2種類ありましたが、最初の方)をソーダ割りで。
メニューはツアー客用のもののため、金谷ホテルの有名なお料理である虹鱒のソテー金谷風や大正コロッケットは含まれていません。
折角ならと、お魚料理の後にアラカルトでコロッケットの方を追加しました。
まずは本日のオードブルのマス。

ソースは胡麻の風味がしてコクがありました。
付け合せは湯葉でした。
洋風の味付けの湯葉もいいですねえ。

かぼちゃのクリームスープ。

温かいものをいただくとホッとします。
結構身体が冷えていたかも。
窓の外は本格的な雨が降っており、まだ青いもみじの葉を強く打ち付けていて、キラキラして綺麗でした。
散策の時に降らなくてよかったなあ。

スズキのヴァプール 白ワインのクリームソース アンチョビとオリーブのピュレとともに。

パンはバゲットとオリーブのテーブルロールでしたので、オリーブのパンはこの魚料理と合わせていただきました。

そしてここで大正コロッケットの登場です。

カニとチキン。
とろとろで美味しかったです。
(でもカニで喉がイガイガするの、確信しました…最後に食べることができてよかったよかった)

牛フィレ肉のステーキ 赤ワインとフォアグラのソース。

魚介が怖くなってきてから、俄然ステーキ食べたい気持ちが続いており、このステーキはとても美味しくて達成感がありました。
付け合せは秋らしく、ナスやサツマイモなど。
野菜サラダが奥にありますが、様々な種類の野菜が彩りよく盛られていて、好みの一皿でした。

本日のデザートは、果物とゆずシャーベットと、杏仁豆腐の生姜ソースかけ。

杏仁豆腐の新しい味でした。
後はコーヒーなどを飲んで締めくくり。

係の方のサービスもとても心地よく、楽しい食事が出来ました。



浴衣の柄が秋仕様。…と思っているのですが、季節関係ないのかな?
本館2階には家族風呂があるそうですが、予約制ではなく扉の外のランプが点灯していると使用中というタイミングを計って使わねばならないし、靴で歩いていかねばならないし等々の理由で狙うのは止めにしました。
本館宿泊だったら考えたかもしれないなあ。

部屋の煙草臭い問題は、リセッシュを振りまくってだいぶ過ごしやすくなりました。禁煙ルームがないということに若干驚きました。