静岡:ホテル ヴィラ・デル・ソル 熱海 伊豆山

昼食「食事処まるに」(熱海駅前)

やっと、やっと・・・! 夫が夏休みを取る事ができたのは、10月も下旬。天気予報はどうせそんなによくはないけど、お魚を食べにプチ旅行したいために、近場の熱海へ出掛けました。宿泊も、食事と雰囲気を楽しむオーベルジュを選択。

熱海に着いたらお昼は、まるにという川奈漁港からその朝獲れたものを出してくれる、地元のお店を目指しました。
ならば二人とも迷わず刺身定食750円です。5点盛りはどれも新鮮でおいしい。お味噌汁には伊勢海老が顔を出していて、これまた出汁もまさにフルボディな感じ。冷奴、たくあんと小鉢がついていて、普段お漬物にそんなに執着がない夫が「この沢庵はおいしい!」と感激。その後ぶらぶらして、この辺りは「七尾たくあん」が名物であることも判り、翌日お土産に買いましたよ。
夫は瓶ビールと、イカの塩辛も注文。この塩辛がまたおいしく、しかも80円って絶句してしまうくらいの良心的なお値段。
どんぶりご飯もツヤツヤしておいしく、夫の塩辛をつまんでたらご飯をお代わりしてしまいそうな勢いになってきたくらいです。

隣のお客さんが追加オーダーした魚メンチも大きくて美味しそうでした。大将が「最初は何もつけないで」と念押ししていました。焼き物も揚げ物も色々食べたいなあ。レトロビルというか、昔からそのままといった風情の駅前ビルの地下は、他にも魅力的なローカルのお店があって、兵庫への帰省の帰りに熱海で途中下車することも増えそうだね、と夫と話しています。

おやつ1「寺子屋本舗」

駅前の商店街はお土産屋さんが両脇に賑やかに立ち並ぶので、チェックインまでにそぞろ歩きを。

すぐに醤油の芳ばしい香りが漂ってきたので、ひとまず一枚ずついっときますか。
夫はざらめ、私は梅ざらめ。150円くらいだったっけ。

奥の看板に見える、ぬれおかきがレバー串のように1本ずつ売られていて面白かったです。

おやつ2「CAFE KICHI 」

商店街を一通り回った処で、本格的にティータイム。
見た雰囲気で此処は入っておくべきと云う気持ちになる佇まい。古い民家の古さを生かした使い方で、素敵なインテリアにも囲まれていました。
2階の奥のテーブルが空いていました。隣のテーブルとは薄い布が垂らされていて、心地よい空間になっています。
他にもソファなどもあり、年配の男性のお客さんが2組もいたりして、ちょっと神保町的な雰囲気も思い起こしたり。

さてさて、私のオーダーは、季節のジャムトースト500円。14時半までは一部の飲み物を300円で提供されるので、オリジナルコーヒーのソフトタイプを。その名の通り柔らかく、飲みやすいコーヒーでした。

夫は迷いに迷って、カボチャのプリン。北海道の栗かぼちゃを使っていて、濃厚でむっちりしておいしかったです。
季節のジャムはイチジク。香りもよく美味しくて、全部使ってしまいました。
黒米入りの天然酵母のトーストは、実はこれだけで食べても十分甘みと味わいがあって、バターや自家製ジャムをつけるとより美味しさ倍増でした。

さっきお昼ごはん食べたのに、また軽いお昼ご飯を食べてしまったかのようなメニューだけど、ケーキより軽く食べられるからいいよね?

トーストメニューは他にも、桜海老としらすのピザトーストや、日によって違う2種類のチーズトーストがあり、その内制覇したいなあと思います。
夫がこのカフェにしようと思った決め手が、この自家製ジンジャーエール650円。

これはいい。
新ショウガの季節ではないけど、今作ってもいいのかな? ちょうどはちみつもたくさんあるし・・・。
手作りのジンジャーエールは、生姜の風味が活きていて格段に美味しいのですね。

流石に食べまくって満腹になったので、車で5分という距離なら私たちには難なく歩けると判断し、雨も上がっていたのでてくてく国道を歩きました。
でもしっかりと迷子になり、宅急便のおにいさんに道を聞き、それでも不安になったのでホテルに電話したら目と鼻の先まで辿り着いていたようで、スタッフの方が二人掛かりで走って出迎えにきてくださり、恐縮いたしました。

室内(ホテル ヴィラ・デル・ソル)

そんな訳で、出迎えてくださったスタッフさんに荷物も持って貰ってしまってたし、外観の写真を撮り損ねてしまいました。
チェックインは、こちらのサロンにて。
明治時代、東京の麻布飯倉に建てられた、日本初の西洋式の個人図書館を移築してホテル仕様にしたものだそうで、本物の持つ空気に包まれています。有形登録文化財にも登録されているそうです。
サロンは二間続きで、窓側はサンルームになっています。
ウェルカムドリンクのシソ茶。
1.5kmほど歩いた挙句、道にも迷い、急な坂を恐る恐る降りてきたので、ほっとする一杯でした。
大輪の百合の花が暖炉の上に飾られていて、いい香り。
素敵~素敵~とキョロキョロしてしまいます。
私たちは一泊二食5万円というプランで、ツインルーム。
昔ながらの洋館はパブリックスペースのみで、客室はシンプルでした。
部屋は40平米とリゾートホテルっぽく広く、全体的にサッパリとした感じ。
TVは下の棚の中にデッキがあるので、チャンネルを変えたりするには下にリモコンを向けるのがコツでした。
ベランダ風になっている窓際は、手前のカーテンの辺りに、サッシや遮光カーテンがあって完全に外からの視線をさえぎることができます。
ちょっとお散歩できるような感じになっているので。
でも、この日の宿泊客は少なく、お天気もすぐれなかったのでほぼこのまんま。窓辺の椅子とテーブル、自宅もこんな感じにできるといいのになあ。
ミニバーというか、冷蔵庫とか金庫とかの棚はこのベランダ側にあります。
ポットにはほうじ茶がなみなみと入っています。
おやつは室内のテーブルの上にキャラメルが2つほど。
バスルームもサッパリとしてます。

旅館:蓬莱と共同の露天風呂に出掛けるので、ここでお風呂に入ることはありません。ブルガリのシャンプーとリンス、石鹸が備えられています。

歯磨き用のコップが、夫婦湯飲みよろしく大小あるのがちょっと面白い。

切実な問題としては、換気がよくないってことかなあ。


温泉は二つあり、日替わりで男女が入れ替わります。
初日の女性用は走り湯。
風情がある佇まいで、洋館に泊まりに来ていながら、和の風情もたっぷり楽しめます。
台風が近づいてきていたので、波が海岸のテトラポットに押し寄せては打ち付けられるのが激しく聞こえますが、それでもとぷん・・・と一人で湯船に漬かっていると非日常をたっぷりと味わえます。
しっかり温まった身体には、お水がすぐに飲めるように置いてあるのが嬉しかったです。

夕食「南葵文庫」(ホテル ヴィラ・デル・ソル)

プランで泊まったので、通常のディナーと違うのかどうかはよく判りません。
夫は白ワイン、私はペリエを片手に夏休みの乾杯ですよ。
オリーブをつまんでたら、前菜が運ばれてきました。
アワビと根菜類のサラダ。
紅芯大根や大根やいろいろ。
アワビのコリコリとした感触と共に楽しむ一皿でした。
アワビの肝をグリルしたのが初めての経験で、改めて肝って押しなべて好きだなあと思いました。
パンは、近くの美味しいパン屋さんのものだそう。
とてもいい香りでした。
この後バゲットもお代わりが進みましたが、そんなにパンを食べない夫も一緒になってお代わりしていました。
好きな感じのパンだったみたいです。
こちらの名物、7年ヴィンテージのハマグリを炭火焼。
蝶番を切ることで、加熱して開いてしまう口を開かなくしておく調理法です。
スタッフの方も心得たもので、開ける前と・・・。
開けた後の写真もきちんと撮らせて頂きました。
素敵な空間なので悪いかなあと思いつつ、小さなお部屋で私たち二人きりだったからいいかな、なんてそーっと撮ってたのですが、 実は最初のパンの辺りで、「写真どうぞどんどん撮ってください。お二人の写真も撮りましょうか」と撮ってくださったりしていました。

蛤の味の凝縮されていることといったら、それはもう。
これまでは、うまい汁が漏れてたのを食べてたのだなあと思われます。
本日のブイヤベース。
夫はこれが最もおいしかったと云っています。
確かに美味しいスープでした。
甘鯛のグリルは、これまた見たことのない姿でやってきました。
ウロコをカリカリに焼いて、衣のようにしているのです。
ウロコってこんな風にすると美味しく丸ごと食べられるんですねえ。斬新。
お口直しのデザート。
フルーツたっぷりマチェドニア風で、フレッシュマンゴーのシャーベットがトッピングされています。
これまでのお料理はどれも軽くて、全く負担にならないのですが、改めてこのデザートですっきりとリセットされます。
栗のパイ包み。
最初にメニューを説明される時に、通常のデザートも用意できるけど、今日は渋皮ごとパイに包んで焼いて、バニラアイスクリームを添える季節感に溢れたものも用意できますが、と云われて、二人とも当然そちらを頼みました。
パイは時間がかかるので、最初に聞くことになっているみたいです。

私は実は、これが一番好きでした。
パイ生地がめちゃくちゃ好みです。
バニラアイスともマッチしていて、至福のひと時。
食べ終わるのがもったいないなあ・・・と食べながら思っていました。
コーヒー、紅茶、エスプレッソが選べるので、フレンチベースの場所だとはわかっていますが、エスプレッソを頼みました。
最後に小さなお菓子が出てくるのも余韻に浸れて嬉しいなあ。

ピンクグレープフルーツのピールは自家製だとか。
ナッツたっぷりのヌガーに、トリュフにと、最後まで存分に楽しめました。
と思ってたら、コーヒーのお代わりも頂けるとのことで、私はまたまたエスプレッソを。
するとジノリのこんな可愛らしい蓋つきのカップでご登場です。
なんとまあ。

そう云えば、カトラリーはクリストフルでした。気分もより盛り上がりますし、口当たりもソフトで食べやすいですね。

こちらのダイニングでは名前を名乗らなかったにもかかわらず、名前を呼ばれてちょっとびっくり。
チェックインなどの手続きをしたスタッフさんから、どんな風に引き継ぎが行われていたのかわかりませんが素晴らしい。

食後は、少し外でも歩く?と出てみたものの、ホテルのスタッフさんが多分、出て行った私たちを心配してちらちら窓から外を伺っていたみたいで、一声かければよかったですね、失礼しました。

そんな訳で、階段そばのこじんまりしたバーに立ち寄り、少し何か飲むことに。
私は基本的にアルコールがなくて過ごせるのですが、折角ならすこーしアルコールもいいかなと思い、弱くて、でもサッパリしたものをリクエスト。
すると、シークワーサー+泡盛+グレナデンシロップ+ソーダのカクテルを作ってもらいましたよ。
綺麗な赤透明のカクテルは、オーダーどおりサッパリしてとても飲みやすかったです。
モヒートブームの夫は、残念ながらライムがなくてモヒートは作れないとのことだったので、ロックで飲むことに。
なかなかラムを頼む人は少ないそうです。

こちらで色々うかがった中で、印象的だったのはレストランにはパティシエがいないため、シェフがデザートも作るのだとか。
そのためパイもデザートっぽくなくパイ料理で使うようなしっかりとしたものだそうです。
そうか、パイは好みだなあと思った理由が判りました。
なので、いちごの季節のミルフィーユは絶品だとか。いいなあ、美味しいパイ生地でレイヤーになったいちごのミルフィーユ。

夜もまた、走り湯に行き、しっかりと温まってきました。


前夜の天気予報で絶望的にはなっていましたが、早起きしてみるとやっぱり激しい雨でした。

でもめげません。逆に楽しんでしまうしか。
今日は女性用のお風呂となる、「走り湯」よりもっと上の「古々比の瀧」と云うお湯まで、息を切らしながら上っていきます。
途中から屋根があるけど、ホテルからは厳しい道のりです。

さて、「古々比の瀧」の開放感たるや、実に素晴らしいものでした。これ、お天気よかったら云うことないだろうなあ。
こんな雨風のサービス開始後の時間だから一人かな、と思いきや既にお二人のご婦人が温まってらっしゃって、上には上がいらっしゃると感服。
先に彼女たちが上がられ、私は正真正銘の一人きりのお風呂を堪能致しました。
激しい雨でもこれはこれで風情があって、私はいいと思いました。ただホテルに帰るのが面倒でした。
せめて建物に入る場所に、傘を開いたり閉じたりする時に凌ぐ庇がちょっとあればいいのになあと思います。

朝食「南葵文庫」(ホテル ヴィラ・デル・ソル)

最初のオレンジジュースは、Juice+Lifeのページにてご覧下さい。

次にヨーグルト。
パッションフルーツとマンゴーが乗っていて、好きだなあ・・・。こちらのレストランはお魚のことが取り上げられていますが、野菜やフルーツをふんだんに楽しめると云う側面も見逃してはならないと、野菜ソムリエの私は思うのでした。

サラダは、海草入り。
興味深かったのは、カラシ水菜という、紫色の葉っぱ。
確かにちょっとぴりっとします。
味付けは全くされていないので、レモン入りオリーブオイルや塩胡椒などで各自調味するとのこと。
シンプルでいいです。
自分ちみたいなポリシーのサラダでした。
卵料理はゆで卵でした。
スプーンの背でコンコンと殻を割ります。
黄身の具合がとろっとしていて、流石だなあ。
パンは、特にトーストがおいしくてお代わりしました。
自家製のジャムは、イチジクのと、ピンクグレープフルーツ+パッションフルーツ。
前者が特に好きで、全部食べてしまいました。


クラムチャウダー。
アサリがたっぷり入っていて、卵ではなく具沢山スープがメインというのもなかなかいいものでした。
特にこれからの季節は、温かいスープは嬉しいですよね。
夕食のときとは違う場所に通していただいたので、少し違う景色を見ながら。
夜もこの時も、バルコニーからの眺めを体験させてもらいました。
お天気がいい時にはバルコニーで、燦々と朝日を浴びながらの朝食もいいんだろうなあ。

めげない私は、食休みをとった後、またもや「古々比の瀧」を目指しました。
ずーっと最初から最後まで私一人。酔狂なんでしょうな。

今度は、いちごのミルフィーユの季節に、お天気がいい時を狙って来たいなと思います。

部屋に戻って準備していたら、静岡放送では流星の絆、しかも♯3 親の秘密とハヤシの王子様が
再放送していました。
わー、1年前のニノだ。
心鷲掴みになった思い出深い3回目の話は、やはりぐっときました。


足が冷えないようにの心遣いも嬉しかったです。

チェックアウトの手続きを、今度はサンルームの籐椅子に腰掛けて行ないました。
流石にこの雨の中歩いては行けないので、タクシーを呼んで貰ったのですが、乗り込むまで一人ひとりに傘を差しかけてくれて、なんとまあ嬉しいことでしょう。
リゾート地の温かいおもてなしの一泊二日でした。
肩の凝らない、のんびりとした時間を文化財の中で過ごせる贅沢。

熱海駅界隈では、久遠でパンを買ったり、あをきのひもので干物などを買ったり、七尾たくあんは何処を買うべきか全く判らないのでとりあえずすぐ近くで買ったり。
お昼を食べようと思っていたのですが、漫然とした満腹感があり、台風もひたひたとやってきているので今日の処は帰ろうということになりました。

今度はまた別の楽しみ方もできそうだね、といつかの予定を夫と話しています。