2010/03/15

千葉:幕張本郷「サンク・オ・ピエ」


ずっと気になっていた幕張本郷のフレンチのお店。
9周年記念コースを予約して先週末に出掛けてきました。

私たち含めて5組が入って一杯になる、こじんまりした店内は、
シェフとマダムの二人で切り盛りしています。
カジュアルな雰囲気で、右も左もデジカメで撮影しまくりだったので
私もそっと記念に撮らせて頂きましたよ。
勿論、みんなフラッシュは炊かずにね。

まずは、お楽しみアミューズ、今が旬のホタルイカです。

にんにくの香りで早くも食欲を刺激されます。
夫は喉が渇いていたのでまずはビールで潤し、
私はお酒は飲みたくない感じだったので、ジンジャーエールで通してしまいました。

前菜は、
シェフの手作りイベリコ豚ベジョータのスモークハムとラルド
自家菜園の有機野菜のサラダ添え。

ラルドとはラードのことで、この豚の脂のおいしさを存分に味わえます。
しかしながら私は脂身をあまり食べられないので、
事前にラルドを全てスモークハムにしていただいてました。

圧巻!
豚とは思えない色合いです。
30度ほどの冷製スモークで、香りがたまらなくよいのです。
力強い味わいの野菜と一緒に口に運ぶと、次から次へと食べたくなります。
夫は貴腐ワインに切り替えていました。
ワインは色々おススメを教えてくださるので、間違いないです。

スープは、
オマール海老とときめき鶏のコンソメ
オマール海老の葛たたき入り。

濃厚な海老の香りのコンソメもいいし、ぷりっぷりの口当たりの海老も食感も素敵。
冷製を2品食べてのこのスープは、すっかり胃も解れてきます。

魚料理は、
三ツ星シェフ・ベルナール・パコー風
エイヒレとキャベツのシェリー酒ヴィネガー風味。

エイヒレってこうやって食べることがあるのか、と初めて知りました。
クセがなく、甘みすら感じるゼラチン質の舌触りと、
甘みのあるキャベツと、さっぱりと爽やかなソースにぴりりと黒胡椒が利いていて
これまたなんということでしょうという状態。
ガンギエイからちょっとしか取れない、貴重なエイヒレだそうです。

相葉ちゃんならこのエイヒレを食べたら、絶対に
「んー、なんか優しい気持ちになれる」って云いそうなイメージ。

あ、パンはバゲットとライ麦パンの2種類が温められてサーブされました。
ソースもおいしいので、思わずお代わりしてしまいました。

メインは、冒頭の画像。
エゾシカの背肉、フォアグラ、トリュフのロッシーニ風。
ロッシーニ風というのはフォアグラとトリュフを取り合わせたものを付け合せにすることらしく。
エゾシカのレアっぽい赤い焼き加減も素敵で、
あたしゃ霜降り肉よりこういうしっかりしたお肉が好きだよなあと改めて思いました。
フォアグラは表面はカリッと、中はとろっとしていて相性のよい大根の上にいらっしゃるし、
トリュフのソースの香りも深呼吸したいくらい。
ごぼうも力強い風味でおいしかったなあ。
そう、野菜がいつもおいしいのです。

全体的にボリュームがあるのですが、ソースが軽い味わいだったり、
野菜がたくさん添えられているので、とても心地よい満足感を味わえます。

メインで、夫はおススメの赤ワインに切り替えました。
かなり濃厚なアルコール度数で、私も一口だけ貰いましたが
確かに旨みが口の中で増幅されていくようです。

お口直しの、自家菜園の有機レモンと柚子のソルベ。

シェフのお宅でできたレモンと柚子を使っているそうで、「一切薄めていません」と
仰っていたので期待も高まり・・・。
夫が最初に口をすぼめて「ぅおーっスッパイッ」と打ちのめされていました。
いつもラーメンとかにだくだくに酢を入れるのに、なんでだろう。
自然なかんきつ類の香りもよい酸っぱさは、私にはとても快適でした。
このグラス一杯食べられそう。

すっかりリセットされた処で、デザートターイム!
フランス最高級クーベルチュールショコラ、ヴァローナ社の
2種類のショコラによる2種類のデザート。

実は、先月の夫の誕生日ディナーを全然する余裕が彼になくて、
ようやくこの週末に出来た次第です。
自身の灯でよく見えませんが、ろうそくが可愛らしいバラの造形でして、
これまた可愛らしい。

で、肝心の2種類のデザートですが、下に見える四角上のものは、
チョコレートのテリーヌ。
シェフが納得いくまで試作を重ね、オリジナルで作り上げたテリーヌは
濃厚で豊かな風味が絶品でした。
その上には、チョコレートのシャーベット。
シャーベットですか!
これまたカカオの濃い味わいにパンチを受けてしまったような感覚。
フィナンシェでお皿を綺麗に拭って食べますよ。
チョコレート大好きな夫にも、最高のプレゼントとなりました。

さかもとこーひー九周年ブレンドは、このデザートに合わせたブレンドで、
ペアリングとしてもプラスのおいしさでした。

食後には仕事を終えてリラックスした面持ちのシェフが出てこられて、
お料理の色々なお話をしてくださって、とても勉強になりました。
シカは追い詰められて胸を打たれると、ストレスで一杯になってしまって
肉質もおいしくないのだけど、本当においしいシカを仕留める人は
遠くからゴルゴ13のように背中を一発で打つのだとか。
とか、イベリコ豚だからと云って闇雲にありがたがらないで、
どんぐりを食べているものを選ぶこと、とか。

語り口も結構ざっくばらんで、かなり笑いを誘うような形で
全然気取らない感じで、楽しい時間でもありました。
30年の経歴を持ちながらもなお、攻め続けているプロの姿勢に
二人で感動してしまいました。

コースはこの内容で9000円という破格値。
都内だったらとてもこのお値段では出せないそうですが、そうでしょうねえ。
私が飲めない方なので、ひたすら夫はグラスでワインなど頼んでも、
そんなにしないのです。
なんという親切な・・親切って表現でいいのかな、とにかくこういう処にも、
おいしいものを一杯食べて欲しいという気持ちに触れることができる気がします。

夫がこのお店のことを知ってから、2,3年ほど行こう行こうと云ってはいたのですが、
東京駅から30分ほどかかるということで少し躊躇していた部分はありました。
今は全く気にならなくなってしまいましたよ。

次はいつ行く?と早くもワクワクしながら機会を伺っている我が家であります。