2005年 友人の別荘篇

昼食

とある方より兼ねてより別荘へのお招きを頂いていて、このゴールデンウィークにやっと念願叶ってお伺いすることができました。
ひとしきり外で遊んだ後、用意して下さった地元の食材によるお待ちかねのランチです。
中央やや下にある、緑色のものは間引かれたメロンで、瓜のような食感なのです。この日も午前中に近くの農家の方がたくさん持ってきて下さって、お母様があっさりと漬けたものなのです。珍しいし、このように間引かれたメロンが無駄にならずに食卓に登ることに喜びを感じます。
左下は筍ご飯、もちろん筍は近くの山で採れたもの、美味しくてお代わりをしてしまいました。右下のサラダには、庭のハーブガーデンから摘んできた新鮮なバジルなどが入っています。芹の胡麻和えに、蕨のおひたしも勿論近所で採取。飲むヨーグルトは地元の公社の濃くて美味しいものでした。お刺身も地の魚で、コリコリと歯ごたえがありたらふく頂きました。
飲み物には、サンティーを。ミントやレモンバームなどのハーブを入れた水を日なたに半日置いておき、抽出するお茶で、自然の恵みを感じずにいられません。
ランチの舞台は、なんとお父様の手作りのウッドデッキ。広々として気持ちがよく、最高のロケーションです。落ち着いてよく見ると庭のなんと広いこと。四季折々の花、ハーブなどが丹念に手入れされているのです。

海岸散策

お父様の四駆で海岸に沿って何処までも走ります。押し寄せる波と水平線に涙が出そうに感動してしまいます。
後は遊歩道をみんなでお散歩。遊歩道の軽いアップダウンも食後の運動にはもってこいでした。片道約1kmで終点に着き、軽く休憩、そして途中から砂浜に下りての帰り道です。
見渡す限りの水平線をぼうっと見てると心地よさが増します。
色々な観察も楽しい。こちらは紫色のマメ科っぽい花。一帯にびっしりと咲いていました。
松の先端の不思議な形に驚愕したり、ハマナス=ローズヒップだとランチの時に教えていただき衝撃を受けたのですが、その実物をみたりしました。
なんと云っても「ママン、嬉しいよう!こんな自然の中でいっぱい走り回れて嬉しいよう!」とアピールするワンちゃんの元気っぷりには、全員目を細めて愛でておりました。
この地点は彼が最も驚異的な運動能力を発揮した地点。
砂浜の高低差もなんのその、降りては長い耳をなびかせて駆け上がってくる。
楽しかったねえ!


帰宅後はミントティや栗羊羹などをぺろりと平らげ、うつらうつらと午睡など。
やがてお楽しみの夕食の時間。自ら採取してきたくださった立派なハマグリを贅沢にも無造作にホットプレートで焼き、ぱかっと口を開いたらすかさずそのお汁をこぼさない様にして小皿に受け取り、海のエキスたっぷりのそれをまずはすするのです。至福!身もふっくらして美味しいのです。何もつけずにこのままで頂くに限ります。もう本当に薦められるままにハマグリの殻が積み重ねられていき、多分私は10個以上行ってしまいました。
焼肉やこれまた地の野菜なども一緒に焼き、主に柚子酢で私は頂きました。サッパリしてるからいくらでもいけます。
後は赤米で作ったお餅も焼いて頂きました。ツブツブ感の噛み応えがあり、じっくり咀嚼すると味が出て美味しいです。サラダもランチ同様、庭のハーブを摘んで作られたものなので遠慮も無くお皿にたっぷりと取り分けます。
最後にまたミントティで胃の調子を整え、大満足。
「ご馳走」と呼ぶに相応しい、またわいわいと楽しい食卓でした。

お風呂の後はおしゃべりをした後、総ヒノキのフローリング、壁、天井に囲まれて、波の音を微かに聞きながら、ぐっすり眠りました。

朝食

朝ごはんにも多彩なお野菜が並びます。
ミントティに始まるのは既に私の定番。
その右は芹の胡麻和え。隣は筍の煮物、蕗は庭で育てているのをひょいっと手折って来て煮物に加えるのです。素晴らしい。
手前のお皿には茹で卵とソーセージ、
それから、「うこぎのおひたし」です。ウコギ?と聞きなれない植物名でしたが元々は山形で生垣に推奨された低木で新芽はなんとお浸しなどにして食用になるという優れた植物です。味は濃い葉っぱの味ですが、こういう食生活にとても惹かれます。
うこぎはどうやら、カルシウムやポリフェノール、ビタミンCなどが特に豊富に含まれており、抗老化・抗ストレス・抗疲労などの効果があるとされているらしいのです。新芽の採れる季節には是非常食したいものです。

そうそう、持参した三つ編みパンもこの食卓に参加させていただきました。写真を撮ったときにはまだオーブンで温め中でしたので別撮りで、皆さんにも好評の内売り切れて嬉しい限りです。



食後は、近所の散策です。道の両脇に生えている植物を色々と観察しながら、谷へ案内して頂き、懐かしい田園風景を歩きます。散在する別荘ウォッチングも面白い。

一旦戻り、お庭を改めて廻り、改めてこれだけのお手入れをする労力を思うと感服せずにいられません。でもきっと大変なんだけど楽しいんだろうなあとも思います。ボランティア活動もなさったり、農家や漁師の方たちからのお裾分けがあったりで、別荘地とは云えその活動は地に足が付いたものなのです。
いいな~ブルーベリーやキーウィフルーツの木があんなに育っていたり、美しい花々が咲き誇っていたり垂涎の庭です。バーベキューの実施時期にもまた訪れたい気持ちでいっぱい。

そしてまた今度はみんなで裏の林へ散策へ出掛けました。一通りの野菜を育てているすばる家の畑を通り、林へ進んでいくと、「これはヤマユリ」などと詳細な解説で、さらに興味深い物となります。ここで一番印象に残ったのは、蟻地獄の密集地!大小深浅様々な蟻地獄が杉の木の根元に密集しているのです。二つばかり、獲物が落ちていった地獄をしばし観察し、犠牲となった虫がもがき、ぐったりとする様まで固唾を呑んで見守っていました。自然とはこういうことであり、獲物を待つ蟻にも命があることなんだよなあと思います。
さて、散策を続けると蕨の自生しているエリアに。教えて貰わないと間違いなく見過していた筈です。あそこにもここにもと次々と発見していくその眼力にまた感服、ようやく目が慣れて私も少し収穫してみました。
重曹で湯がいていただき、お土産に。
嬉しいお土産はまだまだ、ハーブガーデンでのハーブ摘み放題です。きゃー。ペパーミント、レモンバーム、カレープラント、ローズマリー、タイム、イタリアンパセリ。幾つかは挿し木を狙って水栽培しました。うまく育つといいなあ。幾つかはこの記述をしている数日間既に頂きつつあります。

昼食

お昼ごはんはまたまた好みのものばかり。
左側の筍の煮物には、先ほど庭で摘んできた山椒が追加されていました。うーん、またやられました。庭や畑で多くのことがまかなえるなんて。
サラダは例によって庭のハーブ入りですが、玉ねぎがたっぷり入っていてそれが瑞々しくて美味しいのです。
右上は、山形の郷土料理「冷や汁」です。九州人としては、一瞬宮崎の郷土料理を思い出しますが、こちらは東北:山形のもの。様々な野菜をそれぞれ茹でて、少しその汁を混ぜて和えるのがポイントらしく、それぞれの家庭によっても違うらしい。

こういった郷土料理を頂きつつ、食文化を伝え聞くのは楽しいものです。
芹の胡麻和えも引き続きたっぷり頂きつつ、手前のハマグリの炊き込みご飯がまた秀逸。このようなご飯ものはお代わりをしないわけにはいきません。包んでお土産にも頂きました。
驚きはまだまだ続きます。食卓が一通り整った時点でお父様が「お吸い物は?」それに対してお母様が「いるかしら、じゃすぐつくりましょう、三つ葉とハマグリ持ってきて」と答えるとすぐにお父様が庭の大きな三つ葉と貯蔵しているハマグリを持ってきて、それをお母様が即座にお吸い物に。最高の「インスタント」です。ハマグリの出汁の味が何よりのご馳走でした。
「ここに来ると葉っぱばっかり食べさせられるわよ」とおっしゃいますが、私はそういう食事をしたいのです。
可愛いメロンもお土産に入れて頂き、また身も心も美味しく楽しい思い出でぎっしりに詰まった自分をお土産にして、お宅を後にしました。本当にお世話になり有難うございました。


帰りはこんな一両編成の鉄道でとことこ林を抜け、湖を通り、田園風景を抜けてJRの駅まで数十分の旅で始まります。
なんとも風情のある単線、でもこの左右の揺れが絶妙に気持ちよく、途中で眠っちゃいました。