2015年 福岡篇:ロイヤルパークホテルザ福岡、オクタカフェ、筥崎宮、五十二万石如水庵、因幡うどん、りんごの下

朝食「オクタカフェ」(ロイヤルパークホテル ザ 福岡)


このホテルを知った時、「ここに泊まりたい」と思ったもう一つの大きな理由がこのオクタカフェで朝食ができるということ。
昔々、今のように雑貨屋さんがそれほど一般的ではなかったと思うのですが、そんな頃、福岡ではこのオクタホテルという雑貨屋さんにとても惹かれてしょっちゅう見に行っていました。
パリ8区にあるという架空のプチホテルにある雑貨というイメージで揃えられた雑貨たち。
とはいえ、福岡に居た頃は実家にいたし、そんなに雑貨を買ってもどうしようもなかったので本当に憧れのお店でした。

福岡を離れてしばらくして、オクタカフェが出来たりして、いいなあと思いつつ帰省した際には立ち寄ってみたりもしていました。
渋谷のヒカリエが出来た時、オクタホテルがテナントとして入ったのには喜びつつも軽く驚きました。
なんで東京の人が知っとうと?てな感じでね。
渋谷は基本的に身構えてしまい苦手な街ですが、ヒカリエにオクタホテルがあると思うと心強い気持ちにすらなります。(大袈裟)

今回、シンプルなプチホテルに宿泊し、併設のオクタカフェで朝食をとるということは、まるでオクタホテルに泊まったかのようなそんなごっこができるから。

…という前置きが私の中であり、ウキウキの朝食なのであります。

まずはサラダとスープとグレープフルージュジュースから。
野菜は地元産のものが中心となっています。

夫はツナがボウルで用意されていたのがツボだったらしく、すでに前夜からこのホテルを気に入ってはくれたけども更に気に入ったようです。

そして大抵福岡のホテルの朝食では辛子明太子があるので、存分にご飯に乗せてました。

ちょっと乗せ過ぎかもと思わなくはないですが…塩分心配。

私は、オーブントースターがあったので明太トーストにしてみました。

何度やり直しても肝心の明太トーストにピントが合わないという残念な腕前…。
コーヒーには阿蘇の牛乳を加えて、カフェ・オ・レ風に。

人のこと塩分心配なんて云っておきながら、私はカロリーというかまあ食べ過ぎ心配なのですが、折角なのでフレンチトーストも目玉のようなので行っとかないといけないかなあと思い一切れ、フルーツとともにいただきましたよ。

フルーツと一緒に口に運ぶと口内調味的な作用で、フルーツソースのような味わいになります。
パイナップルが一番合うと思いました。

月曜の朝なのでさっと朝食を取る人が多かったのですが、私たちはなんだかんだと話をしながらゆっくりと過ごしました。

その後、プレミアムフロアの特典でチェックアウトは13時だったため、一旦観光に出掛けました。

観光「筥崎宮など」(福岡市東区)


ブラタモリの福岡と鉄道編を見て、激しく懐かしい気持ちになっていました。
路面電車を利用していた記憶が私にもあるからです。
でもタモさんが学生時代に過ごしたような過酷なラッシュの状態が合ったとは知りませんでした。

で、この冒頭の唯一当時の痕跡である電停が馬出になったというのも知りませんでした。
地下鉄で馬出九大病院前駅まで行き、かつての路面電車の専用軌道だった道に入るとすぐにありました。
電停の場所は手作り感にあふれていて、まっすぐじゃないんですねえ。
この進行方向そのまま軌道だった道で、辿って歩いて行きました。

すると地下鉄の次の駅である箱崎宮前駅へ。
帰宅して録画したのを見なおした時に、枕木と踏切の痕跡を見逃したことに気付きました。
ま、それはまたいつかの機会に取っておくとして、路面電車のレールを使ったこれ。

看板の文字は殆ど読めなくなっています。

近寄って見ましょう。

右側の側面にある溝は、路面電車の車輪を固定するためもの。
いわゆる鉄道との違いがここにあるのですね。
山手線などで古レールがホームの柱などに使われている事に気がついた途端、その美しさに惹かれてしまったわけですが、こちらは唯一残された痕跡ですし、いつまで残されているのか儚さに惹かれます。

さて、日本三大八幡宮である筥崎宮へ。

放生会の時しか殆ど来なかったので、露店が並んでいないこんなに静かな筥崎宮って初めてかもしれません。
また、鳥居の形がこんなにずんぐりむっくりしていたのかと初めて認識しました。
帰りに地下鉄に乗った時、箱崎宮前駅のアイコンがそっくりこの形だったのでなるほどと思いました。
福岡市営地下鉄は全ての駅にその駅を象徴するアイコンがデザインされているのです。

この一ノ鳥居は黒田長政が建立したことを、また石燈籠は一部は千利休が寄進したらしいことも今更に知ります。
海の方へ参道が続くのですが、この日はそこまでは歩けないという判断だったので、いずれ海まで歩いて行く散歩の日も作りたいなあ。

今更知るあれこれが多くて驚きですが、現地では菊の御紋があるのを見てそういえば誰をお祀りしているのかすら認識していなかったなあと思いました。
メインは応神天皇で、あとは神功皇后や玉依姫命なのだそうです。
神功皇后といえば小学校の社会の授業時に聞いた駄洒落が未だに忘れられません。
宇美町(うみまち)という場所が福岡にあるのですが、妊娠した状態のまま新羅を攻め、その帰りに宇美で応神天皇を出産したそうです。
で、先生が言うことには「宇美で“うみまち”たよ」…人生で初めて脱力した瞬間かもしれませんが、逆に一生覚えていることになろうとは。福岡あるあるなのか、先生の渾身の持ちネタだったのか、どちらなのでしょうか。

筥崎宮は1月の玉せせり、9月の放生会(ほうじょうや)のイベントが有名ですが、1月11日には聖一国師の報賽式があるのですねえ。
聖一国師は宋からうどんやお茶、酒まんじゅうを日本に持ち帰った高僧で、その帰路筥崎宮のお陰で海難をなんとか切り抜けられた経緯からそのような読経の祭事が行われているのだそう。
たまに私が登壇するパンコーディネーター認定講座でも触れる聖一国師にも関係していたとは、と感動しております。本当に今さらなのですが。

更には福岡で開いた大規模茶会は、この箱崎の地だったのですねえ。色々歴史を紐解くと面白い。

こちらの狛犬さんもずんぐりむっくり。

楼門。扉の彫刻は眠り猫で有名な左甚五郎のものと云われているそう。

勝負事の願掛けに多くのスポーツ選手たちが参拝するそうですが、頭上の額を見てちょっとドキッとします。
「敵国降伏」と書かれているからです。
現時点で敵として定めて戦っている何かがあるわけではないので、ここはそーっと見学して…。
この楼門は、小早川隆景が建立したのだそうで、長政といい隆景といい、完全に大河ドラマ軍師官兵衛の配役で頭に浮かんでおります。

その楼門の左上に視線を転じると、飛行機が。

空港に降りていくのかな。

この楼門の裏手にも初めてまわってみました。
向かって右には西末社があり、長屋のような形で龍王社(海と空の守り神)、若宮殿(芸能文化の守り神)、仲哀殿(八幡様の親神、家族の守り神)、厳島殿(旅行安全の神)、民潤社(火除の守り神)が祀られています。
対になる左には東末社で、池島殿(手足の守り神)、武内社(不老長寿、健康の神)、乙子宮(子育ての神)、住吉殿(海上交通の守り神)、稲荷社(商売繁盛の神、田畑の守り神)と実にたくさん。
ここの狛犬の表情の愛嬌のあること。

表にまわって亀山上皇尊像奉安殿。見上げる大きな像です。

先ほどの「敵国降伏」の額は元寇襲来の際、醍醐天皇の宸筆で亀山上皇が奉納したものだそう。
元寇で侵略されなくてよかったなあと子供心に思ったものですが。
蒙古軍船の碇石。

さざれ石。

あの、君が代の歌詞の中に出てくるさざれ石です。

この後、湧出石も触って運気も上昇したはず。

おやつ「五十二萬石如水庵」(福岡市博多区)


筑紫もちで親しんだ如水庵、これまた私の無知なのですが、黒田官兵衛の隠居後の名前が「如水」だったのかと大河ドラマの時に知りました。
ホテルの近くに本店があり、「栗大福を食べたい」と夫が希望したので入って、おやつにしました。
その栗大福は130円、私は柿大福152円。
テーブルと椅子があり、店内でもいただくことができました。お茶も入れてくださり、しばし朝散歩の後の休憩です。
季節感たっぷりで、おいしかったです。

季節限定の「とっとーと。」というお芋のお菓子のチョコがけ版も試食でいただきました。
ベルギー産のクーベルチュール入りチョコレートなのだそう。

チェックアウトは13時だったので、ホテルに戻り軽く昼寝をしてからホテルを出ました。

昼食「因幡うどん」(博多駅ビル)


まる天うどん450円。
福岡のうどんをこよなく愛する私ですが、福岡にも新しいうどんの波が来ているらしいことが今回薄々判りました。
でも、あんな日もこんな日も私は福岡のうどんに励まされてここまで大きくなったので、やっぱり福岡に帰ったら懐かしい福岡のうどんを食べたい訳で。

新しいうどんやさんに興味津々の夫には申し訳ないのですが、因幡うどんに付き合ってもらいました。
海老を揚げている以上、ごぼ天うどんや芋天うどんはもう頼めないのですが、実は私は小さい頃からまる天が好きだったので問題ありません。
まる天にも少しごぼうが入っているのですよ。

卓上のネギを好きなだけ掛けて、一味も散らして、いただきます。幸せ…。
かしわめしはシェア。炭水化物摂り過ぎですし、ちょっと食べたいだけなので。
夫は肉うどん590円。

ちょうど隣に私と余り変わらないくらいの年代の女性とお父さんといった二人連れがいて、どうやら東京に住んでいるらしく久しぶりに帰省してうどんを食べていたようで「まる天ってないとよー」と力説していました。
判ります、そのお気持ち。



博多駅ビルの屋上は、つばめの杜ひろばと称して、展望テラスだったりお子様向けの電車が走っていたり、緑が植えられていたりの寛ぎのスペースになっていたのですね。
博多口側にはKITTEやマルイができつつあるのかとか、かつての実家が合った方面はこっちだなあと山を目印にみたりだとか、いつまででも眺めていられます。

反対側は空港方面になり、次から次へと飛行機が着陸したり離陸したりしていました。

鉄道神社。

そうそう、この屋上には100年前の二代目博多駅のホームの柱があったそうで、今度行ったら観に行こう。
目に入ったかもしれませんが、全然意識していなかったので。

おやつ「りんごの下」(博多阪急)


最後は地下でジェラート220円を。私はいちじく、夫はマンゴーを。

札幌も含めて駆け足の3泊4日でしたが、充実した旅行でした。
それぞれの場所にはまたいつ行けるか楽しみです。