2001年 イギリス篇 Canterbury, Rye

朝食



蒸し暑く寝苦しい夜を経て、7時起床。色々動くのがかったるい朝でした。8時ごろ、basementのPimlico Roomで朝食を。グレープフルーツジュース、紅茶、シリアルはミューズリとコーンフレークをミックスし、プルーン1個にプレーンヨーグルトをかけます。トーストはブラウンで、バターとマーマレードを塗り、スクランブルエッグにベーコン、トマト、マッシュルーム。味も普通だけど、4泊のバリエーションを楽しめそう。

南東部のローカル線にて

可愛らしい街:Ryeを目指して、9時頃レセプションに鍵を預け、Charing Cross駅へ向かいます。途中Westminster AbbeyやBig Ben、Horse Guards、Trafalger Sq.を通り40分くらい歩きました。駅からは10時発の列車に乗りました。
検札のおじさんに「何処まで行くの?Dover?」「Ryeです」「そしたら前4両に乗っていなさい、切り離すから」小田急線みたいだなあと思いつつ、移動します。果たして次のTonbridge駅で後ろが切り離され再び走り出しました。Ashford
International駅で終わり。ホームで係りの女性に「Ryeに行きたいんですけど」「このプラットフォームの次の次に乗ってね」
30分ほど待ちます。ホームから見える区域は鋭意工事中。駅名にインターナショナルって銘打ってるけど、それほど国際的なターミナル駅には見えないなあ・・・。これから打って出るのかなあ?
そんなこんなで「次の次」の列車West Canterbury行きが来て乗り込みます。此処で思慮深い人や勘の良い人は、カンタベリー?と思ったり、路線図を今一度確認する筈なのですが・・・。
この写真はその車内。網棚がボックス席になった座席の上にあるのが面白くて。シートもどこか破れていたりして、インターシティとは全く様相が異なっていました。
のどかな田舎をすり抜けていくうちに「Wye」という駅に止まりました。・・・ワイ? 一字違いの、韻を踏んだような、母音が一緒の地名。ライではなく? そこでようやく地図を見ると、Ashfordを挟んで、CanterburyとRyeは全く反対の方向にあることに初めて気が付いたのです。ぼやぼやしている間に、終点のCanterbury West駅に着きました。あ~あ。
次の便は12時39分で、Ashfordに戻れますが、折角カンタベリー迄来たのですから、ちょっとだけ詣でてからにしよう。久しぶりに街を歩きたくなってしまったし。
94年に訪問以来7年ぶりですが、昔の記述は何をみてどうしたのかサッパリ判りませんね。いやはや。

昼食(The Moat Tea Room)

Jacket potato with coleslaw £2.95, Pot of tea £1.20

大聖堂を目指す途中で見つけたTuder調の建物に惹かれ、お昼ごはんを。例によって莫大な量のコールスローに埋もれた握りこぶし3つ分くらいのじゃが芋、添えられた2種類のサラダ(レタス胡瓜トマトと、カレー味のショートパスタにコーンやピーマンの赤や黄色いのが混ざった奴)で、メインをやっつけるのに精一杯。で、激しくお腹が一杯!
マヨネーズがとろんとしていて、卵っぽいのが美味しいのです。


テーブルの上にカンタベリーの城壁の話や、この建物の歴史を記したリーフレットがあり、北のYorkに南のCanterbury、どちらも宗教的歴史的に双璧を成す街なのだなあと思いを馳せます。偶然とは云え、一回の旅行で両方の地に赴くことが出来たのはそれはそれで面白いこと。

高校生くらいのバイトって感じの子にお金を払う時に、16世紀からの古い建物なのねと話したら「詳しいことは良く判んないんです」なんて云ってました。ふふ、そんなものかな。

Canterbury

カンタベリー大聖堂は、このChrist Church Gateをくぐった向うにある、イギリスにおけるキリスト教の最骨頂。今日はカンタベリーに行くぞ!と思ってきた訳ではないので、中に入るのはパス。
聖アウグスティヌス修道院跡も良かったなあと心に残っているのですが、また今度改めていくことにしましょう。

右の写真は、クラシカルな雰囲気漂うBoots!こんな店舗ですと風情がありますね。
たまたまお土産やさんで購入したポストカードは、1930年のこのあたりから大聖堂を望むセピア色の風景で、Bootsが写っていました。
左:大聖堂を振り返る。中世に建て替えられた、その名の通り天国へ届きそうな位の高さのゴシック建築です。

右:城壁の要所要所にある門の一つ、West Gate。Yorkだと門はBarといいますよね。
フットスクレイパー。今回の旅行でずっと目に付かなかったのですが、古い街並みで気をつけてると見つけられます。

Canterbury West駅のベンチで先ほど購入したセピア色のカードをしたためていたら、隣に座っていた40前後位の女性から「あなたの誕生日に伺います」ってあなたの国の言葉で書いてくださいって依頼されました。なんでも、外国語で書くとカッコいいからなんですって。判る気がします、英国では漢字ブームは根強い見たいだし、私たちも英語とかフランス語とかで書かれているとむやみにお洒落っぽく感じませんか?
ともあれ、アシュフォード駅でシートもボロボロの電車に乗り換え、やっとこさ本来の目的地のライへ。

Rye

St.mary Cathedral
12~14世紀頃の建物なので、何処となく素朴な印象を受けました。それでも様々な歴史を潜り抜けてきただけあってどっしりとした強さも感じられます。

時計台にもご注目。
教会の展望台にも登れます。私は気が乗らなかったので上りませんでしたが。
つい今しがた見てきたカンタベリー大聖堂に比べて、パーツが尖っていないから優しい雰囲気。
Ryeのランドマーク的存在のMermaid Innは、その昔密輸グループの隠れ家。此処でお茶を楽しむことが出来ますが、私は他のティールームを目指していたので、写真だけ。
年配のアジア系のご夫婦が同じタイミングで記念撮影していたので、撮りましょうかと申し出たら日本人のご夫婦でした。まだまだ働き盛りとお見受けしましたが、こうして二人だけで可愛らしい街を散策するなんていいなあと思いました。ファインダーをのぞくとダンナさんはごく自然に奥さんの肩を抱いて寄り添っていました。
丸い小石が敷き詰められた道も、この街の可愛らしさの要素の一つ。
皇太后も訪問したらしい。
日本でも皇室の方がここに来ましたよ、という盾だとか良くありますが、英国でも栄誉な事としてこんな風に示しているのですね。

お茶(Cobble Tea Room)

Ryeの街のサイトで見つけたティールームです。アンティークショップの建ち並ぶ通りから横道に入った、奥まった場所にあります。
English Tea£2.60はケニヤを中心としたお茶で、こっくりと美味しい。ケーキはホームメイドの中から迷いに迷って、Victorian Sandwich(価格失念)に。クリームがざらっと甘く、歩いた疲れを一気に快復させてくれます。

Very Englishなインテリアに、ついつい時間が経つのも忘れて、日記を書いたり、物思いにふけったり。

その後イラストレーターの方とお近づきになって頂いた名刺の裏にこのティールームのスケッチがあり、同じ処にいたんだなあと嬉しい偶然。


The Mint Street
様々なショップ等が立ち並ぶ道で、ティールームへ入る前に、一軒のアンティークショップに惹かれて立ち寄りました。あれこれと吟味している内に、何かスポーツの歓声が聞こえます・・・ふと、お店のご婦人の目線を辿ると、棚の下にTVが置いてあったのです。ウィンブルドンの真っ最中。ちょっと雑談して和んで。
たくさんの品物の中に「A/F」の文字が記されているのがいくつもあり、尋ねた処少し傷ありという意味なのだそう。納得すればお買い得らしい。
Tea bowlに心惹かれながらも一旦考えようと、お茶をしたのです。閉店は17時の筈、と思って16時半過ぎに駆けつけると、早々と閉店した直後・・・。残念! アンティークとの出会いは縁ですから、ここは潔く諦めます。

そして更に16:55の列車を逃し、1時間時間が開いてしまいました。そこでもう少し散策をすることにしました。お店はことごとく17時で閉店していきます。
別のアンティークショップで、お茶用のスプーンと薬瓶を購入。

左:駅から見たライの街並み。茶色い。
右:生垣に咲くデイジーも可憐。
左:ライは陶器の街でもあり、このように表札に丸いプレートをかけているお家をそこかしこで見かけます。
右:Ypres Tower 中の博物館は当然終わり。観光らしい観光をしていないな、と今更気付きました。でもその街を楽しめていると思うから、特に不満なわけではありません。


上左:郵便ポストが塀をくり抜いて設置されています。日本ではこう云う例を見たことがありません。
上中:イプラタワー傍のGun Garden。 大砲の先はフランス軍に対して向けられたまま何百年、なのでしょうか。ガンガーデンという穏やかでない名前がついていますが、私の中では勝手にライ版海の見える丘公園です。落書きなんかがたくさんあって、暗くなってからは治安が悪いのかなあと想像してしまいました。
上右:セントメリー教会近くのB&B。壁のピンク色と薔薇があまりにも優しい雰囲気でなんて素敵なのだろう。
とある通りの柵に、たわわに咲き誇る薔薇。この街で見かける薔薇は、ふんわりしたイメージの品種ばかりのように思います。

薔薇の季節だから、6月のイングランドはつい訪れない訳にはいかないのです。

17:55の列車にのり、Ashfordで無事に乗り換え、ロンドンのチャリングクロスへ辿り着いたのが、19時半。
ここから根性でヴィクトリアのB&Bまで歩いてしまいました。結構大変! 地下鉄に乗ればよかった。


夕食?

帰りにTescoにより、晩ごはんを・・・と思ったのですが、朝・昼しっかり食べた上に、お茶とケーキも楽しんでしまったので、お腹が空いてなくて、この暑さにはアイスしかない! と仕入れたのがこれ。
キャラメル味のアイスの周りにチョココーティング・・・むむ、美味しい!

翌日会う、YunpiyoさんからFaxが届いていました。楽しみ。
本を読んで気が付くと12時になっていたので、慌てて寝ました。盛りだくさんの一日でした。